胸の内に広がる永遠に晴れない曇り空。

 たった一筋だけ射す光を追って、私はひたすら駆けている。


 それを掴めば、このどうしようもない世界がひっくり返るかもしれない。

 それを掴めば、無数に広がる新たな地に繋がっているかもしれない。

 それを掴めば……──


 あらゆる可能性を夢想して、私はひたすら駆ける。

 ……駆ける、と表現すると伝わりにくいかもしれないな。手を動かして、頭を回して、考え続けているのだ。

 この世界の理について。この世界の成り立ちについて。

 最も難しいその理を解き明かしたその時、心には晴れやかな青空が広がると信じて。